INTEL Celeron N2840 は2万円~6万円のノートPCや超小型PC(UMPC)に数多く採用されているCPUです。
この記事では、Celeron N2840 の性能を歴代 Core-i5 と比較すると同時に、Celeron N2840 搭載ノートPCの価格とスペックからコストパフォーマンスを検証しています。
INTEL Celeron N2840 搭載のノートPCがお買い得か否かを知りたい方は、是非ご一読ください。
INTEL Celeron N2840 は 初代INTEL Core-i5 の半分以下
ベンチマークテストで計測したCPUとGPUのスコアを比較すると Celeron N2840 のCPU性能は初代Core-i5(2010年発売)の半分以下、GPU性能は初代Core-i5と同程度だと思われます。
コストパフォーマンスは非常に悪いと言わざるをえません。4万円という低価格帯ではありますが、メモリは4G、ストレージはHDDを採用している製品が多く、とてもお勧めできません。格安の中古で販売されていたとしても、購入は控えた方がよさそうです。
CPU PassMark
587
FireStrike
152
INTEL Celeron N2840 の概要
2015年2月頃に発売された Celeron N2840 は、同時期に発売された Celeron N2830 の上位製品という位置づけとして、第4世代Core-i シリーズから1年後にリリースされました。
上位製品といいつつ、最大ブースト時のクロック数がCeleron N2830より少しアップしただけなので、性能はほとんど変わりません。
グラフィックはCeleron N2830と同じく「Intel HD Graphics for Intel Atom Processor Z3700 」を搭載しています。
Celeron N2840 の基本スペックは次の通りです。
販売日 | 2014年2月頃 |
---|---|
CPU | コア数:2 スレッド数:2 |
基本クロック | 標準: 2.16 GHz 最大ブースト時: 2.58 GHz |
グラフィック | Intel HD Graphics for Intel Atom Processor Z3700 |
TDP | 7.5W |
プロセスルール | 22 nm |
最大メモリ容量 | 8GB (DDR3L) |
INTEL Celeron N2840 搭載製品のコストパフォーマンス考察
2024年9月現在において、Amazonで INTEL Celeron N2840 が搭載されているノートPCが2点、超小型PC(UMPC)が3台見つかりました。
補足 項目 | スペック |
---|---|
メーカー | HP |
画面サイズ | 11.6インチ(1366x768) |
メモリ/SSD | 4GB/16GB SSD |
OS | Chrome OS |
重量 | 1.Kg前後 |
価格 | 2.5万円前後 |
補足 項目 | スペック |
---|---|
メーカー | Lenovo |
画面サイズ | 11.6インチ(1366x768) |
メモリ/SSD | 2GB/64GB emmc |
OS | Windows 8.1 |
重量 | 1.15Kg |
価格 | 3.5万円前後 |
補足 項目 | スペック |
---|---|
メーカー | INTEL |
画面サイズ | なし |
メモリ/SSD | 4GB/128 GB SSD |
OS | Windows 10 Pro |
重量 | 0.68Kg |
価格 | 3.3万円前後 |
Celeron N2840 は、3万円前後の価格帯のノートPCや超小型PCに採用されています。
ノートPCといっても画面は11.6インチしかなく、メモリも2~4GBと小容量であることから、タブレットからタッチパネル機能を取り去り、無理やりキーボードを付けてノートPCに仕立てたようなものです。
OSも1~2世代古いWindows8.1やWindows10が搭載されており、Windows11に非対応であることを考えると、2~3万という低価格であっても、購入するメリットはありません。
超小型PCとして考えた場合であっても、3万円も出せばCPUにN100を搭載し、かつWindows11に対応した製品が購入できるので、こちらもお勧めできません。
ベンチマークで性能を比較
下表は、 Celeron N2840 のCPUスコア(PassMark)とGPUスコア(FireStrike)を、歴代 Core-i5 の性能と比較した結果です。
世代 | CPU名称 | PassMark | GPU | FireStrike | コア数 | スレッド数 | TDP | 定格クロック | 最大クロック | 発売日 | 開発コード名 | プロセス |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9 | Core i5 9400T | 8441 | Intel UHD Graphics 630 | 1139 | 6 | 6 | 25W | 1.8GHz | 3.4GHz | Q3'19 | Ice Lake | 10 nm |
8 | Core i5 8350U | 6507 | Intel UHD Graphics 620 | 990 | 4 | 8 | 15W | 1.7GHz | 3.6GHz | Q3'17 | Kaby Lake R | 14 nm |
7 | Core i5 7200U | 3359 | Intel HD Graphics 620 | 808 | 2 | 4 | 15W | 2.5GHz | 3.1GHz | Q3'16 | Kaby Lake | 14 nm |
6 | Core i5 6300U | 3277 | Intel HD Graphics 520 | 707 | 2 | 4 | 15W | 2.4GHz | 3.0GHz | Q3'15 | Skylake | 14 nm |
5 | Core i5 5200U | 2560 | Intel HD Graphics 5500 | 594 | 2 | 4 | 15W | 2.2GHz | 2.7GHz | Q1'15 | Broadwell | 14 nm |
4 | Core i5 4200U | 2191 | Intel HD Graphics 4400 | 492 | 2 | 4 | 15W | 1.6GHz | 2.6GHz | Q3'13 | Haswell | 22 nm |
3 | Core i5 3317U | 1949 | Intel HD Graphics 4000 | 411 | 2 | 4 | 17W | 1.7GHz | 2.6GHz | Q2'12 | Ivy Bridge | 22 nm |
2 | Core i5 2410M | 1929 | Intel HD Graphics 3000 | 198 | 2 | 4 | 35W | 2.3GHz | 2.9GHz | Q1'11 | Sandy Bridge | 32 nm |
1 | Core i5 430M | 1200 | Intel HD (初代) | 不明 | 2 | 4 | 35W | 2.26GHz | 2.53GHz | Q1'10 | Arrandale | 32 nm |
★ | Celeron N2840 | 587 | Intel HD Graphics Atom | 149 | 2 | 2 | 7.5W | 2.16GHz | 2.58GHz | Q1'15 | Braswell | 14 nm |
Celeron N2840 は2014年に発売されたCPUであり、性能は 初代 Core-i5 の半分程度しかありません。
CPU性能が低いため、軽作業(ネットサーフィンやメール送受信など)での利用が前提となります。
Celeron N2840 のグラフィック性能はインテル製CPUの中で最低ランクであり、初代Core-i5とほぼ同じだと推定されます。ソリティアやオセロなどの軽いゲームなら問題ありませんが、キャラクターが動き回るゲームは厳しいと思われます。
まとめ
今回は Celeron N2840 の性能について、ネットで公表されているベンチーマークをもとに、歴代のCore-i5と比較してみました。
このCPUを搭載したノートPCは1~5万円台で販売されていますが、たとえ1万円だったとしても、性能が低すぎるため購入は避ける方が賢明です。
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