CPUは、パソコンの性能を決定づける重要なパーツです。少しパソコンに詳しい方なら、Core-iやRyzenといった名前をご存じかと思います。
そして、 多くの方は Core-i7 が「高性能」だというイメージを持たれると思います。
確かにそれは間違いではありませんが、必ずしも正解とも言えません。そこに落とし穴があって、騙されるケースも散開されます。
本記事では、ノートPCに性能を正しく評価するためのCPUに関する知識を紹介します。特に中古のノートPCや、中華性の格安ノートPCの購入を検討されている方は、本記事をご一読ください。
CPUの重要性と誤解
パソコンを選ぶ際に、CPU(中央処理装置)は重要な要素の1つです。CPUは、パソコンの性能や動作速度に直接影響を与えるため、適切なCPUの選択は重要です。
しかし、一部の方々は特定のCPUモデル(Coreシリーズなど)に関して誤解していることがあります。たとえば、Core-i7などの高性能なCPUがあれば、パソコン全体の性能が高いと思われがちですが、これは必ずしも正しいとは限りません。
CPUにはさまざまな要素があり、性能は単純なモデル名だけでは判断できません。クロック数、コア数、世代、シリーズなどの要素が性能に影響します。また、CPUの性能は個々のニーズや用途に合わせて選ぶ必要があります。
多くの場合、CPUの性能が高いほど、パソコンの動作速度や処理能力が向上します。しかし、高性能なCPUを選ぶことが常に最善の選択とは限りません。
用途に合わせて適切なCPUを選ぶことが重要です。たとえば、オフィス作業やウェブブラウジングなどの一般的な用途であれば、高性能なCPUを必要としないかもしれません。逆に、動画編集やゲームなどの高負荷な作業を行う場合は、高性能なCPUが必要になるでしょう。
そのため、CPUの選択にあたっては、自身のニーズや予算に合わせて適切なモデルを選ぶことが重要です。また、CPUの性能に関する正しい知識を持ち、誤解を避けることも大切です。
CPUの性能を評価する4つの指標
CPUには様々な種類がありますが、性能を知る上で重要な指標として、クロック数、コア数、世代、シリーズを理解しておきましょう。
クロック数
パソコンのマザーボードには水晶発振器(正確にはクロックジェネレータ)があって、ここから発せられる信号に合わせて、各パーツが動作することを「知っておきたいノートパソコンの仕組み(構成)」で述べました。
このクロックジェネレータの周波数(クロック数)が高いほど、各パーツは高速に動作するのですが、それはCPUも同じです。
よくCPUのスペックに3GHzとか2.8GHZとか書かれていると思いますが、3GHzだと1秒間に30億回、2.8GHzだと1秒間に28億回、CPUが何らかの処理(計算)をさせる事が出来ます。
パソコンが登場した当初は、クロックジェネレータの周波数でも十分でした。しかし技術が進化した昨今は、水晶発振器の周波数は極めて遅いため、数十倍~数百倍に増やして利用しています。
コア数
CPUは外見上1つに見えますが、実は複数のCPUがパッケージされていて、並列に動作するようになっています。
このパッケージ内のCPUのことを、コアと呼んでいます。
例えば、4コアのCPUといえば、1つのパッケージに4つのCPUが搭載されているという事になります。
ちなみに、コアが1個しかないものをシングルコア(Single Core)、複数(2個以上)あるのもをマルチコア(Multi Cote)と呼びます。
また、マルチコアの中で、コアが2個の場合はディユアルコア(Dual Cote)、4つの場合はクワッドコア(Quad Core)とも呼ばれています。
世代
CPUの製造技術は年々進化しており、一旦市場に放ったCPUモデル(例えば Core-i 7など)であっても、毎年何らかの改善や設計変更が繰り返されています。
最初に製造されたCPUは第一世代、それから改良や設計変更を加えたものを第二世代、さらに改良や設計変更を加えたものを第三世代という具合に、進化するたびに世代が変わり、それに伴い性能も大きく変化します。
例えば Coreシリーズには、性能の違いにより Core-i3、Core-i5、Core-i7、Core-i9 という4つのCPUモデルがラインナップされていますが、3世代前のCore-i7 が最新世代の Core-i3に負けるといったことも、珍しくありません。
また、Coreシリーズ(例えばCore-i5)と世代(例えば12世代)が同じでも、性能差が大きく違うということを理解しておく必要があります。これは顧客のニーズ(ゲーム用、ビジネス用、科学計算用、低価格PC用など)に合わせてクロック数や消費電力、時にはコア数を変えて複数のラインナップを用意しているからです。
シリーズ
CPUは使われる用途に応じて、最適な設計がされています。
例えば、性能を抑えて価格を安くするとか、モバイル用途に消費電力を低く抑えたり、或いはシミュレーション計算などを行わせるために計算速度を高めたものであるとか、用途に応じた製品が存在します。
つまり、自動車と同じように高級車やスポーツ車、ミニバンなどの車種に相当する訳です。
これをシリーズ(又はグレード)と呼んでおり、大きく3につ分類されています。
ローエンド(価格重視)CPU | 主にオフィス製品、メールやインターネットの閲覧等の用途を想定されており、性能が低く価格が安い |
ミドルレンジ(バランス重視)CPU | 写真や動画編集、ゲームなど、オールマイティな用途を想定されており、値段と性能のバランスが良い |
ハイエンド(性能重視)CPU | AI等のソフトウェア開発、4K動画や8K動画などの動画編集、仮想現実(VR)、高解像度でリアルタイムなゲーム等、CPUの性能を必要とする用途を想定されており、値段が高い。 |
この他、CPUが動作中は発熱(80度以上)するため、ノートパソコンや小型パソコン向けに、消費電力を低く抑えたものも存在します。
まとめ
ノートパソコンのCPUは、計算部分に相当し、その性能はクロック数、コア数、世代、シリーズによって決まります。
高いクロック数は処理速度を、多いコア数は並列処理能力を示し、高い世代のCPUほど性能が向上します。
また、シリーズによっては用途に応じた性能が異なるため、自身のニーズに合わせたCPU選びが重要です。
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