【失敗しない】ノートPCに最適なUSB PD充電器の基礎知識と選び方&おすすめ10選

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ノートPCの充電器、純正品は大きくて重く、持ち運びが不便…。
そんな悩みを解決してくれるのが、USB PD(Power Delivery)対応充電器です。
USB PDなら、軽くてコンパクトな充電器でもノートPCを高速充電でき、さらにスマホやタブレットもまとめて充電可能。
しかし、出力(W数)やケーブルの種類を間違えると、「充電が遅い」「充電できない」などの失敗も起こります。

この記事では、USB PDの基礎知識から、失敗しない充電器の選び方、おすすめ製品10選までを分かりやすく解説します。
これを読めば、自分のPCにぴったりのUSB PD環境が整い、出先でも快適に作業できるようになります。

目次

USB PDとは?ノートPC充電の新常識

USB PD(Power Delivery)は、USB Type-Cケーブルを使って最大240Wまでの電力を送れる急速充電規格です。
従来のUSB充電は5Vで数W程度しか給電できませんでしたが、USB PDは電圧と電流を柔軟に制御し、ノートPCやタブレット、スマホなど幅広い機器を高速充電できます。

ノートPCでは、メーカー純正のACアダプタより軽く、持ち運びやすいUSB PD充電器を選ぶ人が増えています。

普通のUSB充電との主な違い

出力が大幅に高い(最大240W)
✅双方向で電力供給可能(機器から機器へ)
✅ケーブルや充電器の組み合わせで性能が変わる

USB PDの原理(CC線の役割)

従来のUSBコネクタには、Type-Aのほか、mini-USB、micro-USBなどさまざまな形状があり、通信速度の違いからもUSB 2.0やUSB 3.0といった規格が存在していました。
これらは、スマートフォンや音楽プレーヤーなど、バッテリー容量の小さい小型機器の充電には十分でした。

しかし、スマートフォンやタブレットの大容量化が進み、ましてやノートPCとなると、従来のUSBでは電力不足で充電が難しくなります。

そこで策定が進められたUSB Type-C規格では、大容量バッテリーを搭載した機器でも安全かつ効率的に充電できるよう、充電制御用の信号線であるCC線(Configuration Channel)が新たに盛り込まれました。
このCC線こそが、USB PDにおける電力交渉の“司令塔”として重要な役割を担っています。

従来のUSBコネクタにはCC線が存在しないため、USB PD対応の充電器に接続しても、通常のUSB充電器と同じ性能しか得られません。
USB PDの性能を十分に発揮させるには、必ずUSB Type-C規格のケーブルを使用する必要があります。

USB PD の電圧・電流の組み合わせ

USB PDの電圧・電流の組み合わせは、「PDO(Power Data Object)」という規格で定義されています。
これは充電器が対応できる複数の電圧・電流(例えば5V/3A、9V/3A、15V/3A、20V/5Aなど)の候補をリストとして提示し、機器側がその中から必要な組み合わせをリクエストする形です。

USB PDバージョン電圧段階(V)電流(A)最大出力(W)代表的な用途
USB PD 2.0 / 3.05, 9, 15, 20最大5最大100(20V×5A)スマホ、タブレット、ノートPC
USB PD 3.1 (EPR)5, 9, 15, 20,
28, 36, 48,
無段階
最大5最大240(48V×5A)高性能ゲーミングノート、クリエイターPC
  • PD 3.0は、PD2.0と電圧×電流の組み合わせは同じですが、通信の安全性の強化や、電圧・電流をより細かく制御できるPPS(Programmable Power Supply)機能が追加されています。
  • EPRは「Extended Power Range(拡張電力範囲)」の略で、USB PD 3.1規格で新たに追加された機能・規格です

USB PD 2.0 / 3.0では、電圧と電流の組み合わせがあらかじめ決められていました。
これは以下の理由によります。
安全性確保のために許容電圧を規格で制限し、充電器・機器双方の設計を簡素化
電力交渉(ハンドシェイク)を確実に行い、故障リスクを減らすため
規格を守ることで各社製品の互換性を保証するため

一方、USB PD 3.1(EPR)では、PPS(Programmable Power Supply)機能の搭載により、選択できる電圧の範囲が拡大(28V、36V、48Vが追加)されたほか、0.02V刻みの無段階制御での供給が可能になりました。

USB PDの落とし穴

USB PD で充電を行う際、注意するポイントがいくつかあります。これらを知っていないと、せっかく充電器を購入しても、その恩恵に預かれないことになります。

充電器、ケーブル、受電機器(ノートPCなど)が全てPD対応であること

USB PD(Power Delivery)の高速充電は、充電器と受電機器(PC、スマホなど)が、USB Type-Cケーブル(前述のCC線)を通じて互いに通信を行うことで初めて成立します。このため、充電器、ケーブル、そして受電機器のすべてがPD規格に対応している必要があります。

もし一つでも非対応の機器が含まれていると、この通信がうまくいかず、PD本来の高速充電機能は利用できません。

充電器の出力不足

ノートPCが必要とする電力が、充電器の最大出力を上回っている場合、充電が開始されない、あるいは充電速度が極端に遅く、PCを使用しながらだとバッテリーが減っていくこともあります。
あるいは、電圧が不安定になり、充電が断続的に中断されるトラブルが発生することもあります。

ケーブルのワット数

USB PDでは、ケーブルにも対応する最大電力が定められています。例えば、100W対応の充電器とPCを持っていても、60Wまでしか対応していないケーブルを使えば、最大でも60Wの充電しかできません。特に100Wを超える充電(USB PD 3.1の240Wなど)には、特定のケーブル(eMarker搭載ケーブルなど)が必須となります。

製品の品質と安全性

市場には数多くのUSB PD対応製品がありますが、USB-IF(USB Implementers Forum)による認証を受けていない製品も数多く出回っていますこの場合、安定した充電ができない、発熱しやすい、最悪の場合、接続機器を破損させるリスクもあります。購入時にはPSEマークの有無の確認を行い、使用時に異常な発熱を感じた場合は使用を中止、安全な製品に切り替えることが重要です。

複数ポート充電時の出力変動

多くのマルチポート充電器は、接続された機器に応じて電力を自動で配分します。しかし、ポートごとに最大出力が決まっている場合や、特定の組み合わせで出力が制限される場合があります。例えば、ノートPCを充電中に、別のポートにスマホを接続した途端、ノートPCへの給電が一時的に中断されるようなケースです。

データの表示と実際の充電状況のズレ

一部のデバイスや組み合わせでは、充電中の表示が出ていても、実際には十分な電力が供給されておらず、充電効率が低下している場合があります。特に、PCを使用しながら充電している場合、消費電力が供給電力を上回り、バッテリー残量が減っていくこともあります。

PD充電器の選び方

STEP
ノートPCのポートを確認

ノートPCの充電ポートがUSB Type-Cポートで、かつUSB PDに対応しているかを確認します。多くの新しいノートPCはType-CポートからのPD充電に対応していますが、一部のモデルや古いモデルでは対応していない場合があります。製品の仕様書や取扱説明書で確認しましょう。

STEP
ノートPCが必要とするワット数(W数)の確認

まず、ご自身のノートPCに付属している純正アダプターの出力ワット数を確認しましょう。アダプター本体に記載されているラベルに「Output: XX V, YY A」と書かれています。この「電圧(V)」と「電流(A)」を掛け算することでワット数を計算できます(例:19V × 3.42A = 65W)。 このワット数が、PD充電器を選ぶ上での最低限の目安となります。

STEP
PD充電器とPD対応ケーブルを選ぶ

ノートPCが必要とするワット数以上の出力を持つPD充電器を選びます。例えば、PCが65Wを必要とするなら、65W以上の出力に対応したPD充電器を選びましょう。 また、ケーブルもPD対応である必要があります。高出力(100W以上)での充電を考えている場合は、対応するワット数が明記された専用のケーブルを選びましょう。

以下はPD対応ノートPCの目安です。あくまでも参考であるため、購入の際は必ず製品のウェブサイト、またはカタログ等で対応状況をご確認ください。

ワット数主な用途 対応ノートPCの例(海外+国産)
30Wスマートフォン、タブレット、一部の軽量ノートPCMacBook Air (M1/M2の一部)、Chromebookの一部、Surface Goシリーズ、VAIO SX12、NEC LAVIE Pro Mobile、富士通 LIFEBOOK UHシリーズ
45W軽量・薄型モバイルノートPCMacBook Air (M2以降)、Dell XPS 13、ThinkPad X1 Carbon、ASUS ZenBookシリーズ、VAIO SX14、Dynabook Vシリーズ、NEC LAVIE Nシリーズ
65W一般的なビジネスノートPCMacBook Pro 13インチ、Dell XPS 15、HP Spectre x360、ThinkPad Tシリーズ、富士通 LIFEBOOK AHシリーズ、NEC LAVIE Direct N、Dynabook Gシリーズ
100Wクリエイター向けPC・一部ゲーミングノートPCMacBook Pro 16インチ、Dell XPS 17、Lenovo Legionシリーズの一部、マウスコンピューター DAIV 5N/6Nシリーズ、富士通 LIFEBOOK WAシリーズ(高性能構成)
140WハイエンドPC・ワークステーションMacBook Pro 16インチ (M1 Max以降)、Alienware、ROG ZephyrusなどのハイエンドゲーミングノートPC、マウスコンピューター DAIV 7Nシリーズ、NEC LAVIE GX(ハイエンド構成)

PD充電器おすすめ10選

30W充電器

スマートフォン、タブレット、一部の軽量ノートPCに対応したUSB PD充電器です。1000円~2000円で購入できますが、45W充電器とそれほど価格が変わらないので、予算に余裕があれば45W以上を選んだ方が安心です。

メーカーUGREEN
スペック30w PD 急速充電器
価格1,680円
特徴PSE技術基準適合/PD3.0対応/30W急速充電コンパクトデザイン GaN チャージャー iPhone16 15 14 13/iPad/GalaxyS25-S10/Android各種機器対応
備考UGREEN(ユーグリーン)は、中国の深センに本社を置くデジタル周辺機器メーカーです。2012年に設立され、高品質で手頃な価格の製品を世界100カ国以上で販売しています。日本にも法人(株式会社ユーグリーン・ジャパン)を設立し、日本市場にも積極的に展開しています。

45W充電器

軽量・薄型モバイルノートPCに対応したUSB PD充電器です。2000円~4000円が価格帯となっていますが、65W充電器との価格差は少なく、逆に安い製品も存在します。

メーカーエレコム
スペック45w PD 急速充電器
価格2,490円
特徴Type-C USB PD対応 45W USB-C×1 小型 軽量 折りたたみ式プラグ 【iPhone16 15 iPad Macbook Air Surface 等対応】 ブラック EC-AC13BK
備考エレコムは、大阪市中央区に本社を置く、日本の大手コンピュータ周辺機器メーカーです。東証プライムに上場しており、日本のIT機器メーカーの中でも、バッファローやアイ・オー・データ機器と並ぶ存在として知られています。
メーカーUGREEN
スペック45w PD 急速充電器
価格3,480円(タイムセール:2,435円)
特徴PSE技術基準適合/PD3.0対応/45W急速充電/コンパクトGaN チャージャーアダプターiPhone16/15/14/13/iPad/Macbook Air/GalaxyS25-S10/Google Pixel/AirPodsなどに対応
備考

65W充電器

一般的なビジネスノートPCで使いながら充電することができます。3000円後半~5000円くらいの価格帯で販売されていますが、中には2000円を切る商品も存在します。

私も2024年7月に購入し、panasonic のレッツノートで使っていますが、性能に問題なく、充電しながら利用できることは確認済みです。

メーカーJacess
スペック65w PD 急速充電器
価格1,999円(タイムセール時:1,697円)
特徴世界最小クラス・3台同時に急速充電・超軽量、 3ポート 折りたたみ式プラグ GaNIII技術 PD3.0/QC3.0/PPS/SCP規格/PSE MacBook/タブレットPC用/ノートPC、iPad/iPhone16/Android/Switchなど対応
備考Jacess(ジャセス)は、小型扇風機やUSB充電器などを手がける中国の中小企業です。価格が安いので不安要素はありますが、カスタマーレビューも1680件あり、Amazon AIの評価も悪くありません。
メーカーAnker
スペック65w PD 急速充電器
価格4,490円
特徴独自技術Anker GaN II採用/PD対応/PSE技術基準適合/折りたたみ式プラグMacBook PD対応Windows PC iPad iPhone Galaxy Android スマートフォン ノートPC 各種 その他機器対応
備考Ankerは、モバイルバッテリーや充電器、オーディオ製品など、デジタル機器の周辺機器を開発・販売しているグローバルブランドで、中国に本社があります。また、日本法人としてアンカー・ジャパン株式会社があります。
元Googleエンジニアが2011年に設立したこともあり、モバイルバッテリーの分野では高い知名度があります。
価格と品質のバランスを求める方には最適な選択肢です。
メーカーUGREEN
スペック65w PD 急速充電器
価格3,980円
特徴PD3.0 PPS GaNII 折り畳み式 iPhone 16/15/MacBook/iPad/Galaxy/Android/PC対応 PSE適合
備考
メーカーバッファロー
スペック65w PD 急速充電器
価格3,780円(タイムセール:3,210円)
特徴USB PD Power Delivery 3.0 PPS 急速充電 GaN 窒化ガリウム 折り畳み式 コンセント プラグ PSE適合 iPhone 16 / 16e / 15 / 14 / iPad/Android/Macbook/Windows 対応 BSACPD6505C2BK
備考バッファロー(BUFFALO)は、愛知県名古屋市に本社を置く、日本のコンピュータ周辺機器メーカーです。エレコムと同様に、日本のIT機器市場で大きなシェアを占める大手企業の一つです。メルコホールディングスの子会社として、幅広い製品を開発・販売しています。

100W充電器

クリエイター向けPC・一部ゲーミングノートPCでの充電が可能です。5000円~8000円くらいの価格帯で販売されています。

メーカーAnker
スペック100w PD 急速充電器
価格5,290円
特徴 1.5 mケーブル付属/USB PD対応/PSE技術基準適合/折りたたみ式プラグMacBook Windows PC iPhone 16シリーズ iPad Galaxy S25シリーズ Android スマートフォン ノートPC 各種 対応
備考1.5 m USB-C ケーブル付属
メーカーUGREEN
スペック100w PD 急速充電器
価格7,998円(タイムセール:6,280円)
特徴USB PD対応/PSE技術基準適合/折りたたみ式プラグ MacBook Windows PC iPhone 16シリーズ iPad Galaxy S25シリーズ Android スマートフォン ノートPC 各種 対応
備考

140W充電器

ハイエンドPC・ワークステーションなど、高性能GPUを搭載したノートPCへの充電が可能です。1~2万円の価格帯で販売されています。

メーカーAnker
スペック140w PD 急速充電器
価格19,990円
特徴単体140W、合計最大250W, 6 Ports, GaN) (USB PD 充電器 USB-A & USB-C) iPad iPhone MacBook Android スマートフォン ノートPC 各種 その他機器対応
備考

PDケーブルおすすめ

一般的なノートPC用途では 100W で十分ですが、240Wとの価格差がほぼ無いため、気になる方は 240Wをお選びください。

私も実際に使っています。メータはあくまでも目安ですが、あると便利です。

メーカーUGREEN
仕様2.0m 100W/5A
ナイロン編み
価格1,399円

長さは0.3m/0.5m/1.2m/2.0mの中から選択できます。
240Wも選択可能です。

メーカーRAVIAD
仕様2.0m 100W/5A
ナイロン編み
価格999円

長さは0.9m/1.8m/3mの中から選択できます。

メーカーAnker
仕様1.8m 240W/5A
ナイロン編み
価格990円

私も実際に使っています。メータはあくまでも目安ですが、あると便利です。

メーカーMINSLIS
仕様1.0m 140W/5A
出力スクリーン表示
ナイロン編み
価格990円

まとめ

USB PD対応充電器は、ノートPCだけでなくスマホやタブレットもまとめて急速充電できる、まさに“持ち運べる電源ステーション”です。
ただし、その性能を最大限発揮するには、充電器・ケーブル・機器のすべてがPD対応であること、そして必要なワット数を満たす製品を選ぶことが大前提です。

軽くてコンパクトな充電器に変えるだけで、出張やカフェ作業、旅行先での電源確保が一気に快適になります。
ぜひこの記事を参考に、自分のPCやライフスタイルに合ったUSB PD環境を整え、どこでもストレスなく作業できるモバイル環境を手に入れてください。

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