AMD Ryzen 5 7535HSは、10万円前半から20万円前半のノートPCで広く流通しているCPUです。このCPUはNPUを内蔵しており、AI対応ノートPCとして多くのメーカーから販売されています。
本記事では、Ryzen 5 7535HSの性能を以下の4つのカテゴリ(省電力(15W)、一般用(28W)、高性能(45W)、最強性能(55W))におけるCore-i5、i7、i9と比較します。
また、内蔵GPUについてもNVIDIA製の各種GPUと比較し、Ryzen 5 7535HS搭載ノートPCの価格とスペックからコストパフォーマンスを検証しています。
AMD Ryzen 5 7535HS搭載のノートPCがお買い得か否かを知りたい方は、ぜひご一読ください。
AMD Ryzen 5 7535HS は、第13/14世代 Core-i5と同性能
ベンチマークテストによるCPUとGPUのスコアを比較した結果、AMD Ryzen 5 7535HSは第13/14世代Core-i5の一般クラス(例: Core i5 1340P)と同等のCPU性能を持っています。また、GPU性能については、第13/14世代Core-i7の一般クラスと同等の性能を発揮します。
一方で、このCPUにはNPU(Neural Processing Unit)が非搭載のため、Copilot+PCの対象にはなりません。ただし、NVIDIA GPUを搭載したモデルが比較的安価に販売されており、AI機能を活用したい方はそちらのモデルを検討するのも良い選択肢です。
コストパフォーマンスの観点では、ライバルである 13/14世代Core-i5 と性能、価格ともそれほど違いが無いため、CPU単体で見たコストメリットはやや控えめです。しかし、NVIDIA GPUを搭載したノートPCが10万円以下で購入できる場合は、十分にコストパフォーマンスの良い選択肢と言えるでしょう。
CPU(PassMark)
18167
GPU(FireStrike)
4848
NPU(TOPS)
未対応
PassMarkの性能は、8K動画編集には及びませんが、通常利用であるならストレスを感じることは無いでしょう。

最新世代の各CPUと比較した場合、モバイル版低省電力型のCore-i5よりも高性能で、一般用(TDP 28Wクラス)に近い性能を有しています。

GPU性能は、13/14世代 Core-i7 に搭載されている Ires Xe Graphicsと同程度であり、設定次第では3Dゲームも楽しめる性能を持っています。

AMD Ryzen 5 7535HS の概要
2023年初頭に発売された Ryzen 5 7535HSは、アーキティクチャにZen 3+を採用した高性能モバイル向けCPUです。
AI専用チップ(NPU) 非搭載のため、Windows11 に搭載されているAI機能をフルに活用するには、別途後付けのGPUやNPUが必須となります。
GPUは「AMD Radeon 660M」を搭載しており、これは Core i7に搭載されている「Intel Iris Xe Graphics eligible」と性能が同じです。
Ryzen 5 7535HSの基本スペックは次の通りです。
販売日 | 2023年初頭 |
---|---|
コア数/スレッド数 | コア数:6 スレッド数:12 |
動作クロック | 3.3 GHz~4.6GHz |
グラフィック | AMD Radeon 660M |
TDP | 35 W |
プロセスルール | 6 nm |
最大メモリ容量 | 64 GB |
AMD Ryzen 5 7535HS搭載製品のコストパフォーマンス考察
上記グラフは、価格コムに掲載されている2025年2月時点の価格情報をもとに作成した金額分布のグラフです。おおよそ8万円前半から購入できます。
2025年2月現在において、AMD Ryzen 5 7535HSが搭載されているノートPCは、価格コムで 22製品、Amazonで数製品見つかりました。
採用しているメーカーとしては Lenovo が圧倒的に多く、国内ではNECが販売しています。また、Amazonではショップブランドの製品も多数見つかりました。
補足 項目 | スペック |
---|---|
メーカー | Lenovo |
画面サイズ | 15.6インチ FHD IPS液晶 (1920x1080) |
メモリ/SSD | 8GB/512GB SSD |
OS | Windows 11 |
重量 | 2.32Kg |
価格 | 144,800円 |
その他 | バッテリー駆動時間:最大13.8時間 GeForce RTX 2050 搭載 |
補足 項目 | スペック |
---|---|
メーカー | Lenovo |
画面サイズ | 14インチ FHD IPS液晶 (1920x1080) |
メモリ/SSD | 16GB/256GB SSD |
OS | Windows 11 |
重量 | 1.36Kg |
価格 | 89,980円 |
その他 |
補足 項目 | スペック |
---|---|
メーカー | HP |
画面サイズ | 15.6インチ FHD (1920x1080) |
メモリ/SSD | 8GB/512 GB SSD |
OS | Windows11 |
重量 | 2.2Kg |
価格 | 103,217円 |
その他 | GeForce RTX 2050 搭載 |
Ryzen 5 7535HS搭載ノートPCは、8万円台~20万円台の価格帯で売られており、入門用GPU(GeForce RTX2050)を搭載したゲーミングPCも比較的安価で販売されています。
さすがに10万円を超えると、13/14世代 のAI対応 Core-i5 に手が届くので慎重に検討する必要はありますが、8~10万円でNVIDIA製のGPU搭載ノートPCが購入できるのであれば、こちらを選択するのも良い選択です。
今回調べた中に、2製品ほど GeForce RTX 2050 を搭載しているノートPCが見つかりましたので、簡単に解説しておきます。
GeForce RTX 2050とは
GeForce RTX 2050は、2021年12月に発表されたノートPC用のエントリー市場向けGPUです。2048基のCUDAコアに加え、レイトレーシング用のRTコア、AI用のTensorコアを搭載しているのが特徴で、ゲーム用とからAI用途まで幅広く対応しています。
AI性能は48TOPSを誇り、Copilot+PCのNPU性能(40TOPS)を上回っているため、Windows 11が提供するAI機能をフルスペックで活用できます。
ベンチマークで性能を比較
下表は、 Ryzen 5 7535HSのCPUスコア(PassMark)とGPUスコア(FireStrike)を、13世代のCore-i5、i7、i9 の性能と比較した結果です。
モデル | CPU名称 | PassMark | GPU | FireStrike | コア数 | スレッド数 | TDP | 最小クロック | 最大クロック |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
HX(最強性能) | Core i9 13900HX | 43760 | IntelUHD Graphics for 13th (770) | 2,827 | 24 | 32 | 55 W | 2.2 GHz | 5.4 GHz |
HX(最強性能) | Core i7 13650HX | 31004 | Intel UHD Graphics for 13th (770) | 2,590 | 14 | 20 | 55 W | 2.6 GHz | 4.9 GHz |
HX(最強性能) | Core i5 13500HX | 29947 | IntelUHD Graphics for 13th (770) | 2,590 | 14 | 20 | 55 W | 2.5 GHz | 4.7 GHz |
H(高性能) | Core i9 13900H | 28423 | IntelIris Xe Graphics eligible | 5,610 | 14 | 20 | 45 W | 2.6 GHz | 5.4 GHz |
H(高性能) | Core i7 13620H | 24533 | IntelUHD Graphics for 13th (770) | 4,438 | 10 | 16 | 45 W | 2.4 GHz | 4.9 GHz |
H(高性能) | Core i5 13500H | 22380 | Intel Iris Xe Graphics eligible | 4,045 | 12 | 16 | 45 W | 3.5 GHz | 4.7 GHz |
P(一般用) | Core i7 1360P | 18876 | Intel Iris Xe Graphics eligible | 4,874 | 12 | 16 | 28 W | 2.2 GHz | 5.0 GHz |
P(一般用) | Core i5 1340P | 18825 | Intel Iris Xe Graphics eligible | 4,045 | 12 | 16 | 28 W | 1.9 GHz | 4.6 GHz |
★★★★★ | AMD Ryzen 5 7535HS | 18167 | AMD Radeon 660M | 4848 | 6 | 12 | 35 W | 3.3 GHz | 4.6 GHz |
U(省電力) | Core i7 1355U | 14638 | Intel Iris Xe Graphics eligible | 4,874 | 10 | 12 | 15 W | 1.7 GHz | 5.0 GHz |
U(省電力) | Core i5 1334U | 13306 | Intel Iris Xe Graphics eligible | 4,336 | 10 | 12 | 15 W | 1.3 GHz | 4.6 GHz |
Ryzen 5 7535HSは2023年初期に発売されたCPUで、13/14世代のCore i5の一般用(28Wクラス) と互角の性能を持っています。一般の事務作業はもちろん、動画編集やフォトレタッチなどのクリエイティブ作業も十分にこなせます。
Ryzen 5 7535HSのグラフィック性能は、13/14世代のCore i7に匹敵します。CPU内蔵としては高性能ですが、NVIDIAのRTX 2050 と比べると半分程度の性能しかないため、ヌルヌルと3Dゲームを動作させるのは難しいでしょう。
設定を調整することで、何とか遊べるレベルになるとお考え下さい。
まとめ
今回は、AMD Ryzen 5 7535HSの性能について、公開されているベンチマークデータを基に、第13/14世代のCore-iシリーズと比較検証してみました。
AMD Ryzen 5 7535HSは、第13/14世代のCore-i5と同等のCPU性能を持ち、内蔵グラフィック性能ではCore-i7と肩を並べます。価格帯は8万円台前半から20万円台前半まで幅が広く、スペックに対して適切な価格かどうかを慎重に見極める必要があります。
このCPUにはAI機能(NPT)が非搭載ですが、入門用のNVIDIA GPUを搭載したモデルも手頃な価格で入手可能です。そのため、AI機能の活用やゲームも楽しみたい方には、AMD Ryzen 5 7535HS搭載のゲーミングPCを検討してみのも良いかと思います。
コメント