INTEL Core i5-1235Uは、8万円から20万円前半のノートPCで広く流通しているCPUです。2世代前となりますが、その分価格が抑えられており、数多くのメーカーから販売されています。
本記事では、Core i5-1235Uの性能を歴代のCore-i7と比較し、どの程度の性能があるのかをベンチマークから検証しています。
INTEL Core i5-1235U搭載のノートPCがお買い得か否かを知りたい方は、ぜひご一読ください。
INTEL Core i5-1235Uは、第12世代 Core-i7に近い性能
ベンチマークテストで計測したCPUとGPUのスコアを比較すると、第11世代Core-i7の1.3倍、第12世代 Core-i7に迫る実力を持っています。また、GPU性能についても、第12世代 Core-i7に迫る性能を誇ります。
コストパフォーマンスは、購入価格によって評価が分かれます。10万円を超える場合、AI対応のCore Ultra 5 125Hが手に届くため、コストパフォーマンスは悪くなります。一方で、8万円から9万円で購入できるのであれば、コストパフォーマンスは良いでしょう。
CPU(PassMark)
13182
GPU(FireStrike)
3873
性能的には申し分なく、4K動画編集も軽々こなせる性能を持っています。ワードやエクセル、パワーポイントなどの事務作業、テレビ会議程度であれば、CPU性能を持て余してしまうでしょう。

CPU性能は、CPU内蔵GPUの中でも上位の性能があります。

INTEL Core i5-1235Uの概要
2022年初頭に発売されたCore i5-1235Uは、Intelの第12世代モバイル向けプロセッサーです。このプロセッサーは、高性能を重視したPコアと省電力を重視したEコアという2種類のコアを組み合わせることで、高性能化と省電力化を両立させている点が特徴です。
内蔵GPUはIntel Iris Xe Graphics eligibleを最小しており、内蔵GPUとしては高い性能を持っています。
Core i5-1235Uの基本スペックは次の通りです。
販売日 | 2022年初頭 |
---|---|
コア数/スレッド数 | コア数:10 スレッド数:12 |
動作クロック | 1.3 GHz~4.4GHz |
グラフィック | Intel Iris Xe Graphics eligible |
TDP | 15 W |
プロセスルール | 10 nm |
最大メモリ容量 | 64 GB |
INTEL Core i5-1235U搭載製品のコストパフォーマンス考察
上記グラフは、価格コムに掲載されている2025年2月時点の価格情報をもとに作成した金額分布のグラフです。安いもので8万円から購入できます。
2025年2月現在において、INTEL Corei5-1235Uが搭載されているノートPCは、価格コムで 約300製品、Amazonは何点か数見つかります。
補足 項目 | スペック |
---|---|
メーカー | 東芝 |
画面サイズ | 15.6インチHD (1366×768) |
メモリ/SSD | 8GB/256GB SSD |
OS | Windows 11 Pro |
重量 | 2.2Kg |
価格 | 96,9900円 |
その他 | バッテリー駆動時間:最大11時間 |
補足 項目 | スペック |
---|---|
メーカー | Lenovo |
画面サイズ | 14インチFHD IPS液晶 (1920×1080) |
メモリ/SSD | 8GB/256GB SSD |
OS | Windows 11 |
重量 | 1.43Kg |
価格 | 99,800円 |
その他 | バッテリー駆動時間:最大7.7時間 |
補足 項目 | スペック |
---|---|
メーカー | ASUS |
画面サイズ | 14インチ TFT液晶 WUXGA (FHD (1920×1200) |
メモリ/SSD | 16GB/512 GB SSD |
OS | Windows11 |
重量 | 1.6Kg |
価格 | 99,800円 |
その他 | バッテリー駆動時間:最大9.7時間 |
Core i5-1235U搭載のノートPCは、8万円台から20万円前半の価格帯で数多くラインナップされています。流通量は多いのですが、このCPUより性能が高いCore Ultra 5 125H搭載ノートPCが10万円台で購入できることを考えると、i5-1235U搭載ノートPCに求めるものは価格のみということになります。
9万円台で購入できるのであれば選択の余地はありますが、10万円を超える場合は、メモリやストレージの搭載量、サイズやバッテリー性能を含めて慎重に品定めした方が良いでしょう。
ベンチマークで性能を比較
下表は、 Core i5-1235UのCPUスコア(PassMark)とGPUスコア(FireStrike)を、歴代のCore-i7の性能と比較した結果です。第9世代についてはTDP45Wの高スペックモデルしか存在しなかったため、ここでは割愛しています。
世代 | CPU名称 | PassMark | GPU | FireStrike | コア数 | スレッド数 | TDP | 定格クロック | 最大クロック | 発売日 | 開発コード名 | プロセス |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
13 | Core i7-1365U | 14,683 | Intel Iris Xe G7 80EU | 4,333 | 10 | 12 | 15W | 1.8GHz | 5.2GHz | Q1’23 | Raptor Lake | 10 nm |
12 | Core i7-1260U | 13,776 | Intel Iris Xe G7 96EU | 3,875 | 10 | 12 | 9W | 1.0GHz | 4.7GHz | Q1’22 | Alder Lake | 10 nm |
★ | Core i5-1235U | 13,182 | Intel Iris® Xe Graphics eligible | 3873 | 10 | 12 | 15W | 1.3GHz | 4.4GHz | Q1’22 | Alder Lake | 10 nm |
11 | Core i7-1165G7 | 9,921 | Intel Iris Xe G7 80EU | 3,361 | 4 | 8 | 15W | 2.8GHz | 4.7GHz | Q3’20 | Tiger Lake | 10 nm |
10 | Core i7-1065G7 | 8,245 | Intel Iris Plus Graphics | 2,746 | 4 | 8 | 15W | 1.3GHz | 3.9GHz | Q2’19 | Ice Lake | 10 nm |
8 | Core i7-8557U | 7,385 | Intel Iris Plus Graphics 645 | 1704 | 4 | 8 | 15W | 1.7GHz | 4.5GHz | Q3’19 | Coffee Lake | 14 nm |
7 | Core i7-7660U | 4,085 | Intel Iris Plus Graphics 640 | 1,264 | 2 | 4 | 15W | 2.5GHz | 4.0GHz | Q1’17 | Kaby Lake R | 14 nm |
6 | Core i7-6660U | 3,628 | Intel Iris Graphics 540 | 1,208 | 2 | 4 | 15W | 2.4GHz | 3.4GHz | Q1’16 | Skylake | 14 nm |
5 | Core i7-5600U | 3,028 | Intel HD Graphics 5500 | 594 | 2 | 4 | 15W | 2.6GHz | 3.2GHz | Q1’15 | Broadwell | 14 nm |
4 | Core i7-4600U | 2,728 | Intel HD Graphics 4400 | 492 | 2 | 4 | 15W | 2.1GHz | 3.3GHz | Q3’13 | Haswell | 22 nm |
3 | Core i7-3687U | 2,646 | Intel HD Graphics 4000 | 411 | 2 | 4 | 17W | 2.1GHz | 3.3GHz | Q1’13 | Ivy Bridge | 22 nm |
2 | Core i7-2640M | 2,465 | Intel HD Graphics 3000 | 198 | 2 | 4 | 35W | 2.80GHz | 3.5GHz | Q4 11 | Sandy Bridge | 32 nm |
1 | Core i7-640M | 2,082 | Intel HD Graphics | 2 | 4 | 35W | 2.80GHz | 3.46GHz | Q3’10 | Arrandale | 32 nm |
Core i5-1235Uは2022年初期に発売されたCPUで、14世代のCore i7に近い性能と低消費電力を兼ね備えたCPUです。性能的にはハイエンドに位置しており、一般的な事務作業はもちろん、4K動画編集やフォトレタッチなどのクリエイティブ作業にも十分対応可能です。
Core i5-1235Uのグラフィック性能は、第14世代Core i7の内蔵GPUと同レベルの性能を持っています。重い3Dゲームにはやや負担が大きいですが、ほとんどの3Dゲームは画質を調整すれば十分遊べるレベルです。
まとめ
今回の検証では、Core i5-1235Uの性能について、ネットで公表されているベンチマークをもとに、歴代のCore-i7と比較してみました。
INTEL Core i5-1235Uは、第13/14世代のCore-i7に匹敵し、グラフィック性能も内蔵GPUとしては上位に位置します。
このCPUは8万円台から購入できますので、10万円未満で購入できる場合、コストパフォーマンスは良好です。しかし、10万円を超える場合は、AI対応のCore Ultra 5 125H搭載ノートPCが視野に入るため、メモリやストレージ容量、重量やバッテリー性能なども考慮して慎重に判断しましょう。
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