【必見】AI対応ノートPCのメリットと落とし穴、選び方のポイントを解説

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近年、AI技術の進化とともに、「AI対応ノートPC」という言葉を耳にする機会が増えています。AIが搭載されていることで、「作業がすべて自動化される」「誰でも簡単に使いこなせる」と思われがちですが、実際はそうとは限りません。

AI対応ノートPCには、画像・音声認識や文章生成など特定の作業を効率化できるメリットがありますが、一方で「価格が高い」「対応ソフトが限られる」「バッテリー消費が激しい」などの落とし穴も存在します。また、AI機能を最大限活用するには、適切な環境や知識が必要になることも意外と見落とされがちです。

本記事では、AI対応ノートPCのメリットだけでなく、購入前に知っておくべき注意点についても図解でわかりやすく解説します。これからノートPCの購入を検討している方や、AI技術に興味を持ち始めた方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

AI対応ノートPCとは

AI対応ノートPCの概要

AI対応ノートPCとは、AI(人工知能)技術を活用してユーザーの作業を効率化し、より快適な体験を提供するノートPCのことです。

これらのPCには、AI専用のプロセッサ(NPU: Neural Processing Unit)が搭載されていることが多く、機械学習や画像認識、音声処理などを高速に実行できます。また、OSやソフトウェアレベルでもAI機能が統合されており、例えば自動補正、パフォーマンス最適化、スマートアシスタント機能などが利用できます。

最近注目されているAI対応ノートPCの一例として、CoPilot+PCがあります。CoPilot+PCは、Windows 11が搭載するAI機能を最大限に活用できることを保証した規格であり、一般的なAI対応ノートPCよりもさらに高い性能が求められています。

CoPilot+PCの詳細については、こちらの記事を参考にしてください。

日常の作業がどう変わるのか?

AI対応ノートPCを使用すると、従来のノートPCでは難しかった高度な処理がスムーズに行えるようになります。

  • 作業の自動化
    メールの要約、スケジュール管理、ドキュメント作成の補助など、AIが日常業務をサポート。
  • パフォーマンス最適化
    AIが利用状況を分析し、CPUやメモリの負荷を調整して快適な動作を維持。
  • 音声・画像処理の向上
    ノイズキャンセリング機能の強化、AIによる画像の補正、ビデオ通話時の背景調整などが可能。

AI対応ノートPCのメリット

従来のPCと比べてどのような利点があるのかを解説します。

1. 処理性能の向上

AIパソコンには「NPU(ニューラルプロセッシングユニット)」が搭載されており、AI・生成AIの処理パフォーマンスが大幅に向上します。これにより、画像・動画編集、音声認識、データ解析などの作業を高速化できます。

2. クラウド依存の軽減

ローカルでAI処理を実行できるため、クラウドサービスを利用する必要が減ります。これにより、インターネット接続が利用不可であったり、あるいは不安定な環境でも安定したパフォーマンスを発揮できます。

3. セキュリティリスクの低減

クラウドにデータを送信する機会が減るため、情報漏えいのリスクを軽減できます。特に機密情報を扱う企業や研究機関にとっては大きなメリットです。

4. ランニングコストの削減

クラウドサービスを多用すると、その分コストがかかりますが、AIパソコンならローカルで処理できるため、クラウド利用料を削減できます。また、低消費電力のNPUを活用することで電力コストも抑えられます。

5. コンテンツ制作の効率化

AIによる画像生成、音声合成、動画編集などをローカルで迅速に行えるため、クリエイティブ作業の効率が向上します。例えば、Adobe FireflyやMicrosoft Copilotなどのツールと組み合わせることで、作業時間を短縮できます。

6. オフィス業務の最適化

文章の自動要約、翻訳、スケジュール管理、議事録作成などのAI機能を活用し、業務の自動化が可能になります。これにより、日常業務の負担を軽減し、生産性を向上させることができます。

AI対応ノートPCの落とし穴

AIを活用できるパソコンが続々と登場し、多くの人が「AI対応PC」を検討しています。しかし、いざ購入してみると「思っていたのと違った」「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも少なくありません。

ここでは、AI対応PCの購入で陥りやすい落とし穴について解説します。

利用方法を学ぶ必要がある

AI機能をフルに活用するためには、ユーザーが新しい技術や操作方法を学ばなければなりません。中には、機能を有効化しないと使えないものもあります。これには一定の学習が伴うため、初めてのユーザーにとっては使いこなすまでに時間がかかることがあります。

AI搭載=すべてが自動化されるわけではない

「AI搭載」と聞くと、まるで全ての作業が自動化されるかのように感じるかもしれません。しかし、実際にはAIが活躍する領域は限られています。特に創造的な作業や高度な判断が求められる場面では、AIの限界が顕著に現れます。

例えば、AIアシスタント(例:Copilot、ChatGPT統合機能)などは便利ですが、通常の作業が劇的に変わるわけではありません。「AI機能があるから仕事が10倍速くなる」といった過度な期待は持たない方が良いでしょう。

ソフトウェアの対応状況が未熟な場合も

AAI対応ノートPCの性能を最大限に引き出すためには、対応するソフトウェアが重要です。現時点ではソフトウェア側の最適化が追いついていないこともあります。
また、ChatGPTやGemini などの大規模生成AIの場合は、高性能なNPUであっても性能不足になるため、結局クラウドを使わざるを得ません。

AI対応PCの中には、性能が低いものがある

AIを活用するには、NPU(Neural Processing Unit)が不可欠ですが、NPUも値段によって性能が大きく異なります。
つまり、AI対応PCであると謳っていても、NPUの性能が低すぎると満足にAIが利用できません。
また、たとえAI対応を謳っていなくても、高性能なGPUを搭載したゲーミングPCであれば、並みのNPUよりも優れたAI性能を発揮する場合もあります。

価格が割高になりがち

AI機能が搭載されているだけで価格が高くなる傾向があります。その機能が本当に価格に見合う価値があるかは慎重に判断する必要があります。特に、「AI搭載」を強調するモデルの場合、同等のスペックのPCより価格を高く設定されている場合が多く、実際に使わないのに 高額な出費を覚悟しなければなりません。
将来的には様々な場面で活躍するとは思われますが、現時点で自分の用途にAIが必要なのかは考えておくべきです。

AI対応ノートPCの選び方

AI対応ノートの購入を検討されている方に対して、選び方のポイントを説明しておきます。

個人用途(ウェブ閲覧/動画鑑賞/メール送受信/テレビ会議/文書作成)

ウェブ閲覧、動画鑑賞、メール送受信、テレビ会議、文書作成といった日常的な作業では、AI対応の有無が直接的に大きな影響を与えることは少ないでしょう。
ChatGPT、Gemini、Copilotなどクラウド上の生成AIで事足りる場合、AI対応ノートを購入するメリットは小さいです。

但し、テレビ会議でノイズキャンセリング機能が使いたいなど、Copilot+PCで紹介した各種AI機能を活用したいなら、AI対応ノートPCがお勧めです。その場合は、単にAI対応ノートというより、Copilot+PC規格の製品を選びましょう。

業務用途(プレゼン資料作成、オフィスアプリ連携、業務アプリ操作)

個人用途と同様に、一般的な業務を行う場合において、GoogleやMicrosoftなどのグラウドサービスで事が足りる場合は、あえてAI対応ノートを購入する必要はありません。

ただし、Copilot+PCで使えるAI機能が魅力的である、またはクラウドの使用料を少しでも抑えたい、外出先でインターネットが使えない場合があるなら、AI対応ノートPCの購入価値はあります。

動画編集/画像編集

お使いのソフトウェアがNPUやGPUを用いたAI機能に対応しているなら、その恩恵を受けられるでしょう。但し、どのような機能をサポートしているかはソフトウェアごとに異なります。

一般論として、例えば動画編集なら

  • 自動編集機能: AIが動画のカット、トリミング、シーン選定を自動で行うことで、編集作業の時間を大幅に短縮します。また、AIが最適なエフェクトやトランジションを提案することもあります。
  • オブジェクト認識とトラッキング: AIが動画内のオブジェクトを認識し、追跡することで、精度の高いエフェクトやフィルターの適用が可能です。例えば、特定の人物や物体に焦点を当てた編集が容易になります。
  • ノイズリダクション: AIが動画内のノイズを検出し、自動で除去することで、よりクリアで高品質な映像を提供します。特に低照度環境での撮影時に効果的です。

画像編集なら

  • 高解像度化: AIが低解像度の画像を高解像度に補完することで、よりシャープで詳細な画像を生成します。特に古い写真や低画質の画像の復元に役立ちます。
  • 自動補正とフィルター: AIが画像の明るさ、コントラスト、色合いを自動で補正し、最適なビジュアル表現を実現します。様々なフィルターを自動で適用し、プロフェッショナルな仕上がりを提供します。
  • オブジェクト除去と背景変更: AIが画像内の不要なオブジェクトを自動で検出し、除去することで、簡単に背景を変更することができます。特に人物写真の背景変更やクリーンアップに便利です。

といった機能が利用できる可能性はあります。何度も言いますが、あくまでもソフトウェア次第です。

データ分析/機械学習

データ分析でAIモデルを開発する場合、AI対応PCでは力不足です。NPUは推論に特化しているため、学習で必要な実数計算は不得意です。しかし、作成済みモデルを使って推論だけをメインにさせたい場合は、AI対応PCのメリットが受けられます。学習を行いたい場合は、素直にGPU搭載ノートPCを購入しましょう。

まとめ

AI対応ノートPCとは、NPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を搭載し、AI処理を効率的に行えるPCのことを指します。従来のCPUやGPUと比較して、AI関連の処理を高速かつ省電力で実行できる点が特徴です。

とはいえ、NPUは主に完成済みモデルを用いた処理(推論)に効果を発揮します。そのため、AIモデルの学習(トレーニング)には依然としてGPUが必要です。つまり、AI対応ノートPCは、学習を目的とした利用には不向きな場合があります。

さらに重要な注意点として、Copilot+PCの機能を活用したい場合、安価なAI対応PCは選ばない方が良いことが挙げられます。Copilot+PCが必要とするNPU性能は40TOPSです。この性能を持つNPUが搭載されていない安価なPCでは、要求に追いつけないため、購入時には性能に十分な注意が必要です。

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